エクスドット
eX.
eX.(エクスドット)は、作曲家・川島素晴山根明季子によって
2007年4月からスタートした現代音楽のシリーズである。
実験性、体験性を重視した通常のライブに加え、
experiment(実験)と称するレクチャーを併催し、多角的に掘り下げる。

eX.
Ensemble Phoenix Basel Soloists
スイスと日本の新しい音楽

eX.(エクスドット)のこれまでの企画内容は多岐にわたるが、諸外国の現代音楽の現在を提示すべく、
これまでにファーニホウシュトックハウゼンの作品を日本初演した他、
ドイツからピアニストのベンヤミン・コブラー氏、オランダからフルーティストのハリー・シュタレフェルト氏を招いた演奏会を企画するなど、
国際的な拡がりをもった活動を展開してきた。
今回は、スイスを代表する現代音楽演奏団体「アンサンブル・フェニックス・バーゼル」から3名のメンバーを招いて
「スイスと日本の新しい音楽」を特集する。
日本側の選曲では、
作曲家の公募という試みを行った。
多数寄せられた中から出演者と主催者の合議で選抜された稲森安太己、日野原秀彦
の両氏に新作を書下して頂く他、
主催者作品として山根明季子、アンサンブル委嘱作品として
山本裕之氏、それぞれの作品を含めた全4作品の一挙初演となる。
スイスの3作品も、ここ数年書かれた2作品と今年書かれた新作で、まさに「新しい」作品ばかり、
しかも5曲に及ぶ新作の全てはトリオ作品という意欲的な内容だが、
名手3名の洗練された演奏により新鮮且つ充実した体験となるであろう。
experiment にてスイスの現代音楽シーンを紹介して頂くことと併せて、最前線の音楽状況をご堪能頂きたい。

 アンサンブル・フェニックス・バーゼル / Ensemble Phoenix Basel   WEB United Phoenix Records
1998年の設立以来、バートウィスルのオペラ《パンチ&ジュディ》、カーゲルの《マーレ・ノストルム》、マルターラー監督による
《月に憑かれたピエロ》などの注目すべき公演、WERGOのミューラー=ジーメンス作品集をはじめとするCD録音に携わってきた。
33名に及ぶメンバーはそれぞれ現代音楽のスペシャリストであり、スイスを代表する現代音楽アンサンブルとして、バーゼルでの
定期演奏会の他、スイス国内各地はもとより、ヨーロッパ諸国、中東、アジアなどの現代音楽フェスティヴァルに多数出演している。
 クリストフ・ベッシュ / Christoph Boesch =flute myspace United Phoenix Records
ドイツのテュービンゲンに生まれ、その後スイスに移住する。スイス、バーゼル音楽大学にてフェーリックス・マンツに師事。同大学院に進みオーケストラおよびコンサートディプロムを取得。1994年からバーゼルのシンフォニー、ラジオオーケストラおよびチューリッヒの室内オーケストラで活動。その間、ウィリアム・べネット、ロバート・ウィン各氏のマスターコースに参加。オーレル・ニコレ氏について研鑽をつむ。アンサンブル・フェニックス・バーゼルの主席フルート奏者。室内楽の分野ではヨーロピアン・ソロイスツでのヨーロッパおよび日本公演、アンサンブル・カルターナと南アメリカでの演奏会およびマスターコース、フェーブス・クインテット、カメラータ・ヴィヴァルディにはソリストとして参加。アンサンブル・フェニックスのメンバーでもあるダニエル・ブェスとのデュオB&Bでのヨーロッパ各地、オーストラリア、モンゴル、中国、日本での演奏活動。ニューヨークの現代音楽アンサンブル、トランジット・サークルのメンバー。現在行っているプロジェクトの一つとしてDEZA(発展途上国でのプロジェクトを経済的に援助するスイスの公共機関)とモンゴル、ウランバートルで演奏家養成のマスターコースを定期的に行っている。
 ダニエル・ブェス / Daniel Buess =Percussion  United Phoenix Records

スイス、バーゼル音楽院にてジークフリート・シュミット氏に師事、その後ドイツ、カールスルーエ音楽大学にて中村功氏に師事。mridangamに興味を持ち1995年から98年の間、南インドの打楽器音楽について学ぶ。2007年秋に3ヶ月間スイスの芸術機関「プロ・ヘルヴェチア」の援助でカイロに滞在、アラブの打楽器音楽について研鑽を積む。アンサンブル・フェニックス・バーゼルの創立者の1人でありパーカッションソロを勤めている。同アンサンブルメンバーでもあるダニエル・ブェスとのデュオ「B&B」でのヨーロッパ各地、オーストラリア、モンゴル、中国、日本での演奏活動。作曲家アレックス・ブェスとのデュオ「CORTEX」、打楽器デュオ「HOW2」、チューリッヒの現代音楽アンサンブル「Katarakt」等のグループ、及び Zbigniew Karkowski、Kaspart T.Toeplitz、Iancu Dumitrescu 等のミュージシャンとヨーロッパ全域、アジア、オーストラリアツアーを行う。
ハプニング的なパフォーマンス、ミュージックシアター及び自身の創作する打楽器(電子音楽)での演奏およびワークショップなども積極的に行っている。多数のCD録音にも参加。

 榊原敏子 / Toshiko Sakakibara  =Clarinet
茨城県生まれ。東京音楽大学卒業後、桐朋学園研究科に進む。大森勇、磯部周平、北爪利世、鈴木良明各氏に師事。
カール・ライスター氏の勧めでベルリンに渡る。その後スイス、チューリッヒにてエルマー・シュミット氏のもとでコンサートディプロマを最高点で取得。
チューリッヒ在学時よりハインツ・ホリガー氏の木管アンサンブルに参加、スイス、オーストリアなどでの演奏会および音楽祭に招待される。
チューリッヒ・チェンバーオーケストラに10年間在籍。マスタークラスをブラジルにて行う。
現在は主に1998年に新しく結成された現代音楽のアンサンブルEnsmeble Phoenix Basel や、ピアニスト アンドラーシュ・シフ氏のもと室内楽やオーケストラのプロジェクトに参加している。
ラドヴァン・ヴラトコヴィッチ氏等とのピアノ5重奏等の室内楽のプロジェクトも進行中。




<live> 2009年8月3日(月)19:00開演 
18:30開場
杉並公会堂・小ホール

¥3000(予約・前売り ¥2500)

◆Thomas Kessler / No more good water blues (2007)
◆Alex Buess / KHAT (2003)
◆Junghae Lee / Dual Komplex (2009)
◆山根明季子 / 棘棘カメリア (2009)
*主催者作品
◆稲森安太己 / ノイエ・ターフェルムジーク (2009)
*公募招待作品
◆日野原秀彦 / 鵺・螺旋群翔 (2009)
*公募招待作品
◆山本裕之 / 木管三重奏曲 (2009)
*Ensemble Phoenix Basel 委嘱作品

*日野原作品の「鵺(ぬえ)」は、正しくは「空+鳥」です。下記リーフレットpdfページをご参照下さい。

出演:Ensemble Phoenix Basel (クリストフ・ベッシュ fl、ダニエル・ブェス perc、榊原敏子 cl)
音響:有馬純寿

作曲者公募に関するアーカイヴ


eX.11 <live> パンフレット pdf ファイルのページ



<experiment> 2009年8月1日(土)18:00-20:30
STUDIO 1619 (グリーンSTUDIO)

¥500 (定員20名、予約優先入場制)

スイスの現代音楽事情
~Ensemble Phoenix Basel の活動を中心に~

今回の出演者3名 (クリストフ・ベッシュ fl、ダニエル・ブェス perc、榊原敏子 cl) によって、
スイスの現代音楽シーンの現在をご紹介頂く(通訳付)。
また、live 当日に初演される日本の4作品について、作曲家自身によるプレゼンテーションを行う。


eX.11 リーフレット pdf ファイルのページ
 




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